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現場監督は水商売から学べ?

北部緑地の工事部主任 座主です



「現場の評点をあげるにはどうすれば良いですか?」

M課長に聞いてみた。僕が6年前、現場にアルバイトでうろうろしていた頃に「書類仕事は机のホコリを綺麗に掃除してからやる」なんてことから指導していていただいてお世話になった大先輩だ。

ちょうど年度末工事が終わったタイミングで、僕は現場を終えた高揚感と次へ進むためのモヤモヤ感に包まれていた。現場は一生懸命やったけど顧客からの評価はイマイチでは骨折り損だ。どうすれば評点をあげることができるのか?そもそも、公共工事つまり役所から受注する土木工事には評点という役所から受ける「成績表」がつきものだ。たんに利益を残すだけではなく高品質な工事で企業の社会的な信頼を高めなければ、次の受注活動で勝ち抜くことはできない。

そこで、先輩に数年ぶりに電話してわざわざ本社から来社してもらい僕の疑問と仮説をぶつけた。こんな感じだ。「テストで良い点をとるには、傾向と対策だ。成績表の構造を分析して、自物件の弱みを知る評価制度をつくり、さらに重点評価項目を対策して狙い撃ちで点数を高める。これをすれば自ずと評価はあがるのんじゃないか?」

先輩の答えは意外だった。

「結局、人と人とのコミュニケーションなんじゃないかなぁ?」

現場の評価者は、現場の質をチェックする「検査官」と、常日頃からコミュニケーションをとる現場の「担当者」。しかも担当者のウェイトは重い。身もフタもない言い方だが、評価者も人間。まずは人間として気に入られないと良い評価は得られない。小学生の頃からテストの点数は100点でも「関心・意欲・態度」の評価が最低で内申点はガタピシだという典型的な嫌な生徒だった僕には目から鱗の視点だ…!もちろん人間的に気に入られると言っても、ナアナアの関係と言う意味ではない。発注者と受注者としてお互いにしっかり仕事をする。そのなかでコミュニケーションは真摯でスピーディーに、こまめに、を心がける。良い評点を目指しているという意気込みと真剣味も共有する。相手が何をして欲しいのかというニーズを先取りして、こちらから能動的に働きかける。日々のこうした積み重ねで信頼関係を築く。技術者として頼られるようになっていく…

これまた言い方が良くないが、つまり「相手にとっての“良い人“、“都合の良い人“」になる、ということかもしれない。

なるほどなぁ、勉強になります。

こうして文字にしていると、6年前にはじめて入った現場で、先輩のさらにまたその先輩、ある部長に教えられた言葉が突然リアルによみがえってきた。

「現場監督ってのはよぉ、気に入られなきゃダメなのよ、水商売と同じよ、わかる?」

水商売と同じ??すいません…わかりませんでした。

部長は、水道のないその現場で職人さんが手を洗うためのポリタンクをガチャガチャ設置しながらしゃべっていた。「現場監督ってのは言われたことをぼーっとやってるだけじゃダメ。客が求めてることを感じて自分で工夫しないと。」

べらんめえ調でとんでもなく早口だけど言ってることはなんとんく理解できた。

「客に気に入られれば、追加注文も入るし、あの監督じゃなきゃダメって指名が入ることもあるんだ。水商売でも、”おしぼりの渡し方“ひとつとってもどうやれば客の心をつかめるか?真剣に工夫してやってるわけ、そういう真剣味がないとダメよ」

なるほど…、そういうことだったのか!なんとなくわかったつもりだったけど、今になってやっと腑に落ちた。部長と課長の言っていることは言葉遣いはちがうけど同じだ。テストの点数をとる点取り屋さんでもダメ。黙してものづくりに徹する職人でもダメ。

現場監督には、ヒトの心をつかむサービス業の視点も必要ということ。ちなみに先輩からは、こんな言葉もあるよと「EQ」のことも教えてもらった。IQ=知能施設ではなく、E。エモーション…?

つまり、心の知能指数。この力が現場では必要だよね、というお話し。と言っても、会社組織で、心の知能指数を高めましょうと強制するのは個人的にはなんだかモヤモヤする。そこで僕はこれを「現場 EQ力」と言い換えることにした。現場EQを高め、ヒトの心をつかむ現場監督になる。そのためにはまず、”おしぼりの渡し方”を見る機会があったら絶対見逃さないようにしよう!

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